第68章 【番外編】おっちゃん
小屋の中に7人で入る。
勿論居場所は一つの空間しかない。
置いてあるのは床に敷かれていた布一枚と何故か真ん中に酒瓶が置かれていた。
そして……………壁に何か……
「━━━━っ!? ちょぉおお、なにこれ怖っっ! お札とか壁にめっちゃ貼りついてるじゃんっ。ヤバくないココ!! ぼくこんな小屋にいたくないんだけどっ、こんな所にいるくらいならさっきの車に戻った方が……」
怖がりトド松が慌てて立ち上がり扉に身体を向け車に戻ろうとするのだが、扉の前には十四松が立ち塞がり退こうとはしない。
「トド松、今はやめた方がいいよ」
「━━━━━━え? え? な、なに十四松兄さん」
「ヤバイから」
「っヤバイって何?! この小屋の方がどっからどう見てもヤバくない?!」
「うーん、これは結界みたいなものだよ」
「け、結界?」
「そう、悪いモノが入ってこれないようにする為の」
いつも笑っている十四松の口からゆっくりと真面目な顔で話されると一松以外のメンバー達は一気に血の気が引いて行く。
外に出ようとしていたトド松も滝汗を流すとすぐに仲間の元へ戻り体育座りをし、涙目になった。
「ど、どういう事十四松!? 一松も何か知ってるの? わかるならこの状況を事細かく説明して欲しいんだけどっ」
「そう言われましても困りますねぇ、俺と十四松もなんとなくしかわかんないし……とにかく霧がなくなるまではここに居た方がいいんじゃない?」
「まさか……ヤツらがいるのかいちまぁつ! とうとう俺達の匂いを嗅ぎつけここまで追ってきたか」
「ヤツら?! ヤツらって誰の事言ってんのカラ松っ! 全く意味わかんないし思い浮かばないし怖いよお前」
「ん~? こんな時はこの世界に溶け込んでしまうのも一つの手だぜチョロまぁつ」
なるほど、十四松と一松は現実の事を言っていて、カラ松の意味深なセリフはただこのよくわからない状況に酔っているのだと察する。