第68章 【番外編】おっちゃん
「あぁ、なるほどね。 ここはもうこの世じゃないんだよきっと、俺らが寝てる間に事故にでもあって地獄に落ちたんじゃない……? どう見ても外は不穏な空気だし」
「うひ……っ、へ、へへへ、変な事言うのやめてよ闇松兄さん!!」
咄嗟の驚きに隣に抱き付くと十四松も寝ていたのだがパチリと目を覚ます。
「んあ!! ついた?! おはようございマッスルマッスルハッスルハッスルー!!!」
一方カラ松は静かにおそ松とチョロ松の会話を聞いていた。
自分は運転していないのにも関わらず何故かゆっくりゆっくりと尺を使って振り向く。
「」(振り向き中)
「」(振り向き中)
「」(振り向…)
「」(以下略)
「……………いや、長い!! まじ尺使う! 早くこっち見て!!」
「……フッ、どうやら俺達はホワイトスモークの中で闇を彷徨うプリンス&ガールになってしまったらしい」
やっと振り向き終わったカラ松が説明をしてくれるのだがサングラスを外しキメ顔をする方に突っ込みを入れたくなる。
「いや、待てカラ松。 どうしてアンタらはプリンスで私はただのガール?! そこはほら、プリンセスでよくない?!」
「突っ込むとこそこー?! ナス子姉、それよりも迷った事に突っ込もうよ!!」
「………え、迷ったの?!」
「今更━━━━━━━━━━?!」
トド松に言われるまでカラ松の言葉は意味不明で理解できなかったがやっと自分達が迷ったらしい事を認識するナス子。
「あー、ここはヤバイやつだね」
「あぁ、ヤバイやつだな十四松」
十四松と一松が二人前の席と後ろの席で顔を合わせて頷き合う。
一体なんの事を言っているのだろうとまだ喧嘩をしている運転席と助手席以外のメンバーは顔を見合わせた。