第68章 【番外編】おっちゃん
「ちょっと?! 俺だって地図くらい読めるんだけどぉ?! なんで一松しかいないとか言うかな~」
「え、地図読めるの? おそ松兄さんはナス子と似てる所あるし絶対に読めないし変な所に案内しそうだと思ったんだけど……、それに助手席らしい事なんにもしないよね? 煩いだけだし」
「はぁ?! ナス子に似てるぅ~~? それはちょっと心外なんだけどっ」
好きな相手だと言うのにも関わらず、心底嫌そうに否定するおそ松の声を、車の後部座席に座って早速スマホを弄っていたナス子が反応し文句を言い返す。
「おそ松、心外ってなに心外って! チョロ松もチョロ松だよっ、なんっっっで私がコイツと似てる訳?! こんな馬鹿でニートで童貞、ギャンブル好きでお酒と女が大好き、脳内が小学生のような残念な男と一緒にされるのは納得いかないんですけどー」
「やはり俺が思っていた事は他のブラザ~も考えていたんだな、フフーン、だが俺のお陰で少しはおそ松ガールから卒業出来たのだしナス子も」
「カラ松うるさい!!あと、おそ松ガールとか言わないでってば」
「アウチっ! 痛いぞナス子!!」
ドヤ顔に腕を組み得意気口調で喋るカラ松の口を永久に塞ぎたくなるナス子は後ろから思い切りカラ松の頭を叩く。
以前カラ松にもおそ松に似てると言われ、死にたくなる程の思いを抱えた事がある為か、それを思い出しつつ全力で自分も拒否する。
「ほらな? 俺はここまで生意気で乱暴で口悪くねぇし!! とにかく俺が今日は助手席~っと」
言ったおそ松はチョロ松の許可など得ず助手席へと強引に乗り込んでいった。