第68章 【番外編】おっちゃん
翌日。
既に借りられた見た事のあるワゴンを運転し松野家の家の前にナス子が到着する。
仕度を終えて待っていた松達は玄関の前でそわそわと迎えを待っていた。
「はよーっす、急に誘っちゃってごめんね! 職場が今日から改装工事で休みになるの忘れててさ~、ホントはゴロゴロ寝て過ごそうと思ったんだけど、昨日見たTVでたまたまそこの動物園が特集してたんだよー! 平日だしそんな混まないと思って誘ってみたんだけど」
設備点検だったり改装工事だったりでよく休みがある職場だなとは思うが、ちゃんとした店であると言うことは名誉の為に言っておこう。
「おはよ、ナス子姉! 大丈夫だよ、皆どうせ暇してるし、僕もたまたま予定が合ったからねっ……てかどうしたのその恰好?! 化粧もしてるし……普通の女の子みたいじゃん!!」
「開口一番にトッティ全開辛口出してくるのやめてくれるっ!? あのね、私だって遠出する時はちゃんとするんです~」
「おっそーい、遅いよナス子!! 俺達今日は早起きして待ってたんだけどぉ? お陰で眠いったらなんの……」
「えー? 時間ちゃんと言ったでしょ? なんで早起きしたのさ、遠出って行っても動物園行くだけだしそんな仕度も何もなくない?」
腰に手を当てて文句を言うおそ松だが、やっとやって来たナス子の姿を見ると若干落ち着かない様子でパタパタと足を動かす。
ちなみに、早起きした理由は皆が楽しみにしていた為に眠りも浅くたまたま目が覚めてしまっただけである。
「モーニン、シスター! 今日もサンシャインが眩しいな、まるで俺の為にあるようなブルースカイだ……フフ」
「やめて、停車してても事故りそうだからっ」
「ん~?」