第68章 【番外編】おっちゃん
「……っ、貸して」
「へ? 何この手は」
トド松に任せていたら絶対に自分は不参加だと送られるだろうと思いトド松にスマホを貸すよう手を伸ばす。
「貸して? ちょっと僕が返信するから」
「え、嫌だけど……」
「ん」
「いやいや」
「んー」
「いやいやいやいや、ってしつこいな!」
諦めず真顔で迫るチョロ松の顔に、少し引き気味のトド松がスマホを持つ手に力をこめる。
それをチョロ松は奪うかのように引っ張ると、トド松は渾身の力を込めて拒否しスマホの引っ張り合いになってしまう。
「ちょっと、なに?!」
その二人のやり取りを見て突っ込みを入れるおそ松。
「なんだよ、子供って言いたいんだろ?!いい大人が行くような場所じゃないんだろ?!」
「ぅーーー……ん~ん~ん~!」
歯を食いしばり力を込めた顔は赤くなっているが、それでもチョロ松はスマホを離そうとはしない。
「なんだよお前、ホントは行きたいんだろ? じゃそう言えよー!!」
「スマホ壊れちゃうから離してよ、もー!!」
結果、六人全員が参加という事になりLINEを返信すると各々が明日を楽しみにしながら眠りにつくのだった。