第67章 【R18】【一松ルート】一松は猫が好き
「…………」
「………ねぇ、怒ってるの……?」
ムスっとした表情で、一松に背を向けて寝ているナス子に、不安そうに声を掛ける。
二人とも身体はベタベタで、起き上がる体力も回復していない為布団の中で仕方なく横になっている最中だ。
「……怒ってない」
「じゃあなんでそっち向いちゃうの? 俺の顔、見たくない……?」
声色で一松がどんな表情をしているか察すると、ナス子はぐるりと体の方向を変え、至近距離の一松の顔を見ながらハッキリと言う。
「怒ってないっ! っは、恥ずかしいっ……だけ……!」
「……そう………ふふっ」
「……なに笑ってんだっ」
「別に……可愛かったなって……思い出して笑っただけ……」
「っ……可愛くないっ!」
ぎゅっと一松の鼻を摘んでやると、痛そうに眉を寄せて目を閉じるが、すぐに目を開けてにやりとその目が弧を描く。
ナス子を抱き寄せて自分の腕の中に包み込むと、頬を摺り寄せて足を絡ませてくる。
「……一松のほうが猫じゃん……っ」
「にゃあ」
「……相変わらずデッカい猫だなぁ!」
「……大きさならナス子も負けてないと思うけどね……」
「それはど~いう意味かなぁ~? いちまっちゃあ~ん?」
「さ、さぁ……どういう意味だろうね…………ちょっと風呂入ってくる」
「あっ! 逃げた!」
慌てながらもよたよたとした動きで素っ裸で風呂に向かってしまった一松。
一松の出て行った襖を睨みつけていたが、ナス子はまだ腰は痛いわ膝は笑っているわでとても一人で立てる状態ではない。