第9章 楽しいがいっぱい 十四松side
「うんっ、じゃーね! ちょっとここから遠いから飛んでこう!!」
「え、飛ぶ?????」
ボクが言った事がわかってないみたいで疑問そうな顔を僕に向けた。
「ヨイッショー!!!!!」
姉さんをお姫様のように抱っこしてみる。
皆が太ってるとかよく言ってるけど抱き上げる事は出来た。
っていうより重くない??
「十四松、これじゃ重いでしょ! 私の体重ヤバイんだから腰やられるよ?!!」
「だーいじょうぶ大丈夫♪」
ジタバタと下りたがる姉さんをなんとか宥めて、山の奥へと進む。
崖のような場所を見つけるとボクはそのまま―――
「え、え?!十四松まさか・・・?!」
「ちゃんと首の所に掴まっててね、姉さん!」
さすがにカラ松兄さんみたいな扱いは姉さんには出来ないからお姫様抱っこになったけど、落ちないようにするにはこの方が手っ取り早いもんね!
「嘘でしょ?こんな高い所からまさか・・・」
「うんっ、いっくよーーーーーーーーー!!!!!!そぉれっ」
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
そのまま下へと姉さんを抱えながらジャンプした。
「あははー、姉さんクソ煩いねっ!」
ドスーンと下に着地すると抱っこしてた姉さんはちょっと放心状態になってた。
ちゃんと掴まってたし、ボクも落とさないようにしたから大丈夫なのにー。
「し、死ぬかと思った・・・」
姉さんを地面に下すと腰が抜けたらしく暫く動けなくなったみたい。
背中をさすってあげる。
「楽しくなかったー?」
「だから死ぬかと・・・」
「あははー、死ぬ程楽しかったんだね! またやってあげるっ」
「お前は解釈を間違えるなっ」
突っ込みがチョロ松兄さんみたいだ、姉さんも突っ込み担当なのかな?
暫く姉さんが復活するまでまたのんびりと空を見上げていた。
あの雲美味しそう、綿あめ、ソフトクリーム、あ!かき氷みたいのもあるっ
僕が空を見てたら隣で寛いでいた姉さんの笑い声が聞こえた。
「十四松、お腹減ったの?ヨダレがまた出てるよ!」
「え、あ!ほんとだー」
ヨダレをゴシゴシと服の袖で拭いた。だってあの雲美味しそうだったから!!