第67章 【R18】【一松ルート】一松は猫が好き
これは……ああは言ったものの、恐らく着れてしまうだろう。
こういうコスチューム物やパーティーグッズの衣装なんかは、大体フリーサイズで作られていることが多い。
しかも外国産が多いから、フリーサイズと言ってもMからLLぐらいの体型の人ならなんなく着れてしまうこと間違いない。
「ほら、試着してみて。ああ、なんなら今着てる部屋着の上からでもいいからさ……スウェットの上から着れるなら、裸なら確実に着れるもんね」
「うぐぐぐぐぐっ………一松……っきさま、謀ったな」
「いやよくわかんないからその返し……ほら、ほら、早く着なよ、ねぇ?」
ぐいぐいと一層押しが強くなってくる一松。
こうなるともうナス子は自分がどんなに抵抗しても無駄だということがよくわかっている。
観念して、寝ているミケ子を抱き上げて彼女専用のペットベッドに移動させると、コスチュームを手に取り、半ばヤケクソで着ていたスウェットを脱ぎ捨てる。
スウェットの上から着ると思っていた一松は、ナス子の思わぬ行動に据わっている目を開いて驚いていた。
「…………ほらっ、これでいいの?! 入りましたよ! 入っちゃいましたよ!! てかなにコレ?! 上半身胸の下までしかないじゃん! お腹丸出しなんですけどっ! 一番隠したいところなんですけどぉぉ?!」
「………忘れ物ですよ、お姉さん」
低い声でそう言って渡してきたのは、付属されていたネコミミカチューシャだ。
苦虫を噛み潰したような顔でナス子はそれを受け取ると、渋々と頭に装着する。
頭から足の先までコスチュームに身を包んだナス子に、一松は拍手を送る。
「よく出来ました……あざーす」
「っ……メチャクチャ恥ずかしいっ!! なに?! なんなのこの感情?! 恥ずかしいっていうか辱められている気分に近いっ!! 屈辱も混じっているような気がする!!」
「気のせいでしょ……あざーす、あざーす」
自分の身体をどうにかなんとか少しでも隠したくて色々なポーズを取ってみるナス子だが、腕2本だけでは身体はどうやっても隠すことは出来ない。