第67章 【R18】【一松ルート】一松は猫が好き
「ああ………ごめん……つい……」
「いやわかってくれればいいんだけど……なに? どしたの?」
当初の話題からどんどん離れていってしまっている気がして、ナス子は話題を元に戻さんとそう言うと、一松はリビングに戻ってきつつ、またも口を閉ざす。
「そん………っなに言いにくいことなの?」
「………いや、どうなんだろう……一般的には言いにくいことになるのかもしれないけど……」
「なにそれ?」
「………わかった、言う……今度こそちゃんと……」
「うん、なに?」
とりあえず、別れ話じゃないことは確かだし、心配したような暗いことでもなさそうなので、ナス子はすっかり気を取り直して腕を組み一松を見つめる。
「あのさ………言う前にお願いがあるんだけど、引かないでね?」
「引くようなことなんかい」
「さぁ……人によっては?」
「だから何っ?! 引かないから、早く言ってっ」
あまりにも勿体ぶるので、ナス子もいい加減少しイラつき始める。
一松は何故か玄関へと足を向け、いつから置いてあったのか、シューズボックスの前にあった紙袋を手に戻ってくると、それをずいっとナス子へと差し出す。
「これ………プレゼント……昨日少しだけパチンコ勝って、それで買った」
「え、え……? 私に?」
突然のサプライズに、ナス子は最初戸惑いつつも差し出された紙袋を受け取ると、嬉しそうな表情を浮かべて一松に礼を言う。
「ありがとう一松っ! もしかして、言いにくいことってこのことだったの?! 照れてただけってオチ?! もぉ~、こんなに嬉しいことならそんなに勿体ぶらなくても……あっ、むしろ、だから勿体ぶってたとか?!」
「………まぁ………そんなところ」