第67章 【R18】【一松ルート】一松は猫が好き
「………アンタのことも………好き、なんだよね……」
「え? あ、そ……そう、うん……うへへ」
もうちょっとなんとかって笑い方があるだろうと思うが、とりあえず今はおいておこう。
恋人からの思わぬ言葉に、緊張していた分嬉しさは倍々だ。
張り詰めていた空気が一瞬にして和み、ナス子が表情を崩して頬を薄っすら赤くしながら照れていると、同じく少し口端を上げた一松が、言葉を続ける。
「だからね? ナス子と……猫が……一緒になったら、きっと、もっと、すごく好きだと思うんだよね……」
「? 一緒?」
側にいたミケ子を抱き上げて、一松に向かってこういうことか、と首を傾げる。
「いや、そうじゃなくて………いや、それも悪くないけどね……普通に幸せな図すぎて今すぐ戒めに窓から飛び降りようかと思うほどにはいいんだけど」
そう言うと、体育座りをしていた一松が突如立ち上がって台所のシンクへと向かうと、何故かシンクに向かって叫び始める。
「ふぅ━━━━………っどういうことなんだコレは!! 可愛すぎるだろ!! どうなってんだよ!! あんな可愛い生き物がおれの彼女でいいのか?! いいわけないよね?! 何回ぐらい生まれ変わればおれはあれがおれのものなんだって胸を張って外を歩けますかぁ?! 来世どころの話じゃないだろ何なんだよ!! 死ぬ?! 死ぬぐらいの戒めを受ければこの幸せはまだまだ続きますかぁぁぁあぁ!!!」
突然の一松の暴走に、リビングにいたナス子とミケ子がビクリと身体を強張らせる。
ナス子の腕に大人しく抱かれていたミケ子だが、一松の怒声にも似た絶叫に寝室の方へと逃げ出してしまった。
「いちまっちゃん!! 落ち着いていちまっちゃん!! まだ昼とは言え何度も言うけど此処マンションだから!! ご近所迷惑だからぁぁぁ!! ミケ子もビックリしてあっち行っちゃったよ!」
そういうナス子の声も結構デカいのだが、必死になっている人は周りが見えないものだ。