第66章 【チョロ松ルート】ステップアップラヴァーズ
「え……し、嫉妬……したの?」
「いやー、それがよくわからないんだよねぇ……さっきも言ったけど趣味にどうこう言うつもりはないし……でも、なんだろ、なんか嫌だったっていうか……と、とどのつまりは一緒にいたかったってことだから……」
「嫉妬だろ、それ」
「や、やっぱりそうかな?! うわ~っ、ウザイ?! ウザイかなっ?! ごめっ……うわっぷっ」
ナス子が台詞を言い終えるより前に、チョロ松がその身体を引き寄せて自分の腕の中に閉じ込める。
急な抱擁に、ナス子は顔が熱くなるのを感じたが、おずおずと背中に手を回してみると、より強く抱きすくめられて思わず浅く息を飲む。
「チョ、チョロ松……っ?」
「ナス子……ごめん……僕も、一緒だから」
「は? い、一緒って、何が?」
「……トド松に嫉妬した……ていうか、今もしてる」
「…………えっ……」
チョロ松からの思わぬ言葉に、二の句が継げない。
先程からトド松のことに関して何かおかしいなとは思ってはいたナス子だが、まさかチョロ松の口からこんな言葉が出るとは思わなかった。
だが言われてみれば以前、独占欲があると言っていた事を想い出す。
「チョロ松って……実は結構、焼き餅やき?」
「僕をどういう人間だと思ってるわけ、それ。するでしょ……だって、トド松だよ?」
「え、え……? なんでトド松だと嫉妬するの?」
訳がわからないという様子のナス子だが、チョロ松はそれ以上言葉を繋げることはなく、ナス子を抱き締めたまま頭を撫でて自分の頬を擦り寄せる。