第66章 【チョロ松ルート】ステップアップラヴァーズ
「んー、チョロ松と別れてからしばらくして電話かかってきてからだからー……18時くらいかな? 丁度ご飯の時間だったし、用意してたものもあったから二人で晩御飯食べたの。それだけだよ?」
「何食べたの?」
「え? グラタンだけど……食べたかった?」
「食べたかったって言うか……いや、うん、美味しくても残念でも食べたかったけど! 今日の食事係を任命してきた癖にお前さ…… 」
「あはー……」
ふと、チョロ松の視線が自分の手に向けられていることに気付き、慌てて背後に隠すが時既に遅し。
「なに? その指……絆創膏貼? もしかしてまた料理した時に怪我したとか?」
「うっ……じ、実は……ハイ、ソウデス……あはは、慣れないことはするもんじゃないねぇ、あ、でも今日じゃないよ? 昨日怪我したんだよ、大した事ないけどさ」
どちらにせよ怪我をしている事には変わりないのだが、単なる小さな火傷だ。
わざわざ言う事でもないと思っていた。
しかし結局見つかってしまい誤魔化すのもおかしい為素直に答える。
またいつもの早口突っ込みでお説教されるかもと思うと、自然と口が開き明るく取り繕った。
「今日チョロ松がウチに来るのわかってたから密かに練習してみたんだけどさぁ! せーっかく成功したのにチョロ松はどっか行っちゃうし、食べさせれなかったねぇ、残念!!」
「………ごめん」
「えっ、だから何を謝ってんの? 私別に怒ってないし、謝られるような……こと……」
ナス子の語尾が小さくなり、歯切れが悪くなると、チョロ松がその頭にぽんと手を置いて口を開く。