第66章 【チョロ松ルート】ステップアップラヴァーズ
「姉さんさぁ、2.5次元って知ってる?」
「ん? 舞台とかの?」
「そうそう、ぼくはそういうの詳しくないけどたまたまトゥイッターで流れてきた事があってさ~姉さん好きそうだなって」
「ほうほう?」
「姉さんが好きなゲームとか漫画とかの舞台もあったよ」
何を言いたいか、と言うとナス子もいっその事チョロ松と同じようにアイドルのようなものにハマって見ればいいと言いたいのだ。
「ん~……やってるのは知ってるよ? 見てみたいとは思うんだけどまだそのジャンルに手は出した事ないんだよねぇ。 てかトド松の口から2.5次元の話が出た事にビックリだよっ! いっその事こっちの道に……」
「いや、それはいい」
「即答!! ソウデスカソウデスネ、わかってましたーっ」
若干期待を抱いたナス子であったが、なんとなく返答は想定出来た為残念に思うもののそこまでガッカリはしなかった。
「ま! 気が向いたらちょっとDVDでも借りてみてみるよ、助言ありがとう、なんだかんだ文句言いつつも優しいトド松君」
「ぼくはいっつも優しいよ? ナス子姉がただぼくに変な事言わせてるだけでしょぉ?」
「うわ、その顔ムカツク!」
~ピンポーン♪~
食べ終えた食器を片付けようとナス子が立ち上がると、玄関からチャイムの音が鳴る。
「んん? なんだろう、もう22時過ぎなのに」
「こんな時間にここに来るのなんて一人しかいないんじゃない? あーあ、終わっちゃった~」
「終わっちゃったって、なにが?」
残念そうにしながら自分の食器を下げるトド松はナス子に視線を向けずこれまた珍しくも洗い物を始める。