第9章 楽しいがいっぱい 十四松side
「わー!!!! これぼく?! スッゲーねっ」
「うぉ!?」
あ、姉さんの集中切らしちゃった。
「ビックリしたぁ、ていうか距離近い近い! そんな目の前から近づかないで・・よ」
姉さんが顔を上げるとボクと姉さんの目と目がもの凄く近い。
鼻がくっつき合いそうだった。
「・・・・・・・・・・」
少しビックリした姉さんは数歩ズリズリと後ろに下がる。
なんで離れたんだろう?
姉さんにしては珍しく、下を向いてまるで女の子みたいにモジモジしている。
どうしたのかな、ボクなんだかおかしな事したかな?
「~~~~っ、ごめ、この前の腕枕思い出しちゃってちょっと恥ずかしくなったっていうか」
「あー! あの時かっ、あの時もすっげー距離近かったもんね!! 一緒に昼寝楽しかった!」
あの日の事をボクも思い出すと、先に目を覚ました僕は腕の中で寝ていた姉さんの寝顔が頭に浮かぶ。
あの時も睫毛長いし、体積はあるけど体ちっさいなぁって思ったんだよね!
頑丈そうな体に見えてもちゃんと感触は女の子みたいだったし・・・
あれ?じゃあボクは、女の子に腕枕したって事???
「・・・━━━━━━━━━━」
口に手を当ててあの日の事を思い出していたら、ボクの顔が熱くなった気がした。
「十四松、顔赤いよ?」
「え!ほんと?! でも姉さんも赤いよ?」
二人で赤くなってまた笑い合う。
なんだろう?変な感じ。