第66章 【チョロ松ルート】ステップアップラヴァーズ
「あ、これ美味しい!! どうしたの姉さんこれ」
「ん? 会社の人に貰った!!」
「また~?! 会社の人達姉さんの事出荷しようとしてるよね絶対……もぐもぐ」
「おい、お前も長男と同じ扱いを私にするか! あぁ、でも六つ子の中で一番私に酷い扱いをしてくるのはアンタが一番だわ」
トド松はドライモンスターで人にあまり興味はない。
興味があると言えば自分の趣味や可愛い女の子。
しかし今はその興味のある人物が一人増え、まるで意識もしていなかった姉のようなナス子もその中に入った。
だが、長年の付き合いによりその姉には皮肉ばかり吐いてしまい中々素直な事も言えないのも事実。
今更自分が素直になった所で気持ち悪いだけだと感じている。
「へへっ、だって相手はナス子姉さんだもん! 僕が姉さん相手に女の子のような扱いをしたら気持ち悪くない?」
「…………確かに」
少し前は、告白をしたくて一生懸命優しくしていたつもりだったがその時でも結局はドライな発言をしてしまっていた。
だがナス子は言い返しはするがあまり気にしている様子はなく、そんな姉の態度にトド松も少し安心している面もある。
「で? このままずっと我慢し続けるつもり?」
「……うーん、でも私もチョロ松そっちのけでゲームとかしてるしなぁ」
「でもそれは一緒の空間にいるでしょ?」
「それは……そうだけども~」
「逆にさ、逆に考えてみて! 姉さんはもしも自分の好きなものが、例えば緊急ライブとか開いてたらチョロ松兄さんを置いてライブを選ぶ? しかも相手は異性だよ?」
トド松は鋭く突っ込んでくる。
何故コイツはここまで内容を知っているのかと不思議に思うが、多分チョロ松が緊急ライブの話を言ったのだろうと思う。