第65章 【R18】【トド松ルート】残念だった人
「うぐぐ……、そっそうだけど」
「ね? ぼくは他のお礼が欲しいなぁ~、ねぇナス子お姉ちゃん! 可愛い弟の頼み事、聞いてくれないの?」
「っっ……なんてあざといのこの子! トッティ! 恐ろしい子!!」
いやいや、違う。
あざといとか恐ろしい子なのは間違ってはいないが、それ以上にお前が残念なのだと末っ子は心の中で苦笑にも似た呆れた溜息をついた。
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ナス子の部屋に入ると相変わらず部屋の中は散らかっている。
ゴミ屋敷とは違うものの、脱いだ服や使った物を放置するという無造作な散らかり方だ。
「はー……全く女子とは思えない部屋だよねぇ、これ」
「すみませんねぇ、汚い部屋で! でも一応片づけてるつもりなんだよ?!」
「これでも?」
「こっ、これで……も」
人様を絶対に上げられない状態のこの部屋を見ると、馬鹿にした笑いしか漏れてはこなかった。
「まっ、いいや! それよりナス子姉、服見せてよっ」
「うーん、服って言ってもあんま持ってないよ? えっとあっちのタンスの中に入っ……こらっ、勝手にレディのタンスを開けるんじゃありませんっ」
タンスを指さすと、どの場所に服をしまっているかわかり早速開けて中を確認する。
「レディって(笑)一体どこの誰の事を言ってるのかサッパリなんだけど~」
「アンタさっきから括弧笑いみたいな喋り方してない? してるよね?! 完全に馬鹿にしにきてるよねコレっ」
「え~、そんな事思ってないよぉ(笑)」
「おいぃぃぃぃぃぃ!! またその喋り方!」
すかさず突っ込まれるが気にする事なくタンスの中を見ていくも、どれもこれもクソダサイものばかりだ。
まるでカラ松の服を見ているような気分になってしまう。
まぁ、カラ松兄さんに比べればまだイタくはないか……