第65章 【R18】【トド松ルート】残念だった人
「別に一緒に来るのがトド松だからいつも通りでいいかなって思ったんだけど、ダメかな?」
「ダメ! っていうかぼくが相手だからこそもっとキチンとしてほしいんだけど?!」
こちらの質問に質問で返されると若干苛立ちを覚え、机に両手をつけて立ち上がる。
顔を正面から見てやると、早速拗ねた顔をして見返してくるどうしようもない姉に成す術はないと肩を竦めた。
「もう、いっつもそうやってダメだしばっかするよねトド松はー! いつからこんな生意気な弟に成り下がってしまったのか……お姉ちゃんは悲しいよぉ?」
泣いてもいないし泣きそうにもなってない癖にわざと両手を目にあてて大袈裟な動作をするももうこんなやりとりも初めてではない為完璧に無視してその場にまた座り直す。
「トド松も食べ終わったし、帰ろっか~」
「は? 用事ってホントにこれだけ?!」
「? うん、ラーメン食べたかっただけだし、トド松にもお礼したかったからねっ」
お礼と言われ、トド松は一つ閃くと伝票を持ちさっさと会計を済ませようと立ち上がる相手の動きを声で遮る。
「ねぇ、ナス子姉……! そのお礼なんだけど、ここの会計は自分でするからぼくの頼み一つ聞いてくれないかな?」
「………ん? いや、付き合ってもらったし会計はするよ?」
正直金欠なので会計をして貰えるのは有難いのだが、それよりなにより自分の閃きの方がお礼として聞いてもらえる方が断然嬉しい。
「今からさ、ちょーっと一緒に買い物しない? あ、一旦ナス子姉の家に行って服選んで化粧もするから」
「━━━━━はぁ?! どこ行くの?! 面倒臭いっ」
その返事はさもわかっていたかのように目を瞑るも、アヒル口を更に上げ企み顔になる。
「一緒にお出かけしようよっ お姉~ちゃん♪」
「……えー、家に帰ったらゲームして漫画読んでゴロゴロしようと思ってたんだけども」
「ぼくを呼び出したのはナス子姉でしょ? 自分の用事だけ済ませて帰ろうっていうのはちょっとヒドくないかなぁ~?」
結局ランチは奢ってもらうのだが、こう言えばどのような返事が返ってくるかも勿論長い付き合いだからこそトド松はわかってる訳で……