第64章 【番外編】呪われた? おそ松
「呪われてる・・・って、何で?急にどうしたの?」
「最近さ・・・なんか、視線を感じるんだよ・・・誰かにず~っと見られてるっていうかさ・・・」
どうやらこれは本当に真面目な話らしい。
・・・でもな、おそ松だからなぁ・・・
というわけで、御祓いに行きたいから金貸して!とか言ってくる可能性はまだ否めないよねぇ・・・
これぞ日ごろの行いってやつ?
どうも真剣におそ松の話を聞く気にならない。
私のそんな心情が見て取れたのか、おそ松はジトっとした視線をこちらに向けてくる。
「お前・・・俺の話信じてねぇな?!」
「・・・え~っと・・・うん、まぁ・・・」
「なんで?!俺こんなに真面目に話してるのにっ!」
ブンブンと怒り出すおそ松。
う~ん、どうやら本当の本当に真面目な話みたい。
ここは真剣に聞いてあげることにするか・・・仕方ない。
スマホの画面を暗くして、テーブルの上に伏せて、ちゃんと話を聞いてあげる体勢を取る。
「わかった、ちゃんと聞く。で?どういうこと?」
私がちゃんと向き合って話を聞いてあげると、おそ松はまた神妙な顔つきになって話し始める。
ホントに珍しいなぁ、こんなおそ松は。
「旅行でさ、あったじゃん・・・アレが・・・」
「アレ?・・・・え、ちょ、ちょっと・・・まさか、何か思い出した・・・とか、じゃない、よね?」
『あのこと』だけは絶対に思い出してもらいたくない。
むしろ思い出したら何度でも頭を強打し日本の旗を刺し、超微粒子光線ビームを発射した上で何度でも記憶を消し去ってやりたい。