第63章 【微エロ】【カラ松ルート】レンタル彼女継続中
「け、けど、あの時のことを言うなら、俺のほうにも思うことはあるぞ?」
「え?」
カラ松からの意外な言葉に、顔を上げる。
「正直あの時、ナス子の言葉に俺は傷ついた。俺のことなど、どうでもいいんだと思ったぞ」
「え、な、なんで? 私そんなこと言った?!」
「俺たちのことを、仲が良さそうだとか、モブ菜ちゃんを大事にしろとか、言っただろう……笑いながら」
「え?! そ、そうだっけ……」
あの時の事をもう一度よく思い出してみる。
……確かに、言ったかもしれない。
正直、言われたことや見たことは覚えていても、自分が何を言ったかはよく覚えてない。
そんな場合じゃなかったし……。
だけど、確かにカラ松は私の発言に対して不機嫌になって、去って行ってしまったのは覚えている。
その時、初めてカラ松の怒った声を聞いたんだよね。
私に対して、怒っているカラ松の声を。
「実はあの後、モブ菜ちゃんに言われたんだ。ナス子のあの反応は、俺の事は憎からず思っているはずだって。だが、一緒に一松がいたからな……仲良さ気にしていたし、その事もあってモブ菜ちゃんも判断に迷ったんだと思うんだが……だから、結局自分で確かめないとと思ったし、自分の気持ちがハッキリしたから、やはり思いは伝えないとって思ったからナス子の部屋の前で待っていたんだ」
「……そうだったんだ……」
「すぐに帰ってくるだろうと思ったのに、夜遅くまで戻ってこないし、戻ってきたと思ったら一松と一緒で、しかも手を繋いでいるじゃないか……あれはキツかったぞ」
「あ、あれは……っカ、カラ松と会った後……へ、凹んじゃって……ずっと一松に話を聞いてもらってて……そしたらあんな時間になっちゃって……手、手は……ごめん……」
別にあの時はまだ付き合ってなかったし、謝るのも変かなぁと思ったけど、なんとなく謝ってしまった。
一松の優しさに甘えてたのは認めるけど。
チラリとカラ松を見ると、面白くなさそうな表情をしているものの、怒っている感じではない。
拗ねている、と言ったほうが近いかも。