第63章 【微エロ】【カラ松ルート】レンタル彼女継続中
だから、顔もスタイルも良いモブ菜さんと、どんなに化粧を頑張っても顔もスタイルも並な自分が一緒にいて、比べられているような気がして、惨めな気持ちになったし、そんな自分をカラ松に見られたってことも嫌だったし、そんなことを思う自分も卑しくて嫌だった。
「その……少しでもナス子に近い感じにしてもらいたくて、頼んだんだ。あの時の俺は、まだナス子への思いを、愛なのか、ただの情なのかわかりかねていたから……今にして思うと、よくわからない行動だったなと自分でも思うな」
「どういうこと? 私へのあてつけとかではなく?」
「そんなことするわけないだろう……! あれは、自分の気持ちを確かめたくて……ハッキリさせたくて、全部当時の俺なりに考えてやったことなんだ」
私は、あの時本当に自分のことしか考えてなかったんだなって、カラ松の申し訳なさそうな顔を見ながら思う。
申し訳ないのは私のほうだ。
あの時、カラ松のことが好きって気付いて、でもカラ松には好きな人がいるって思ってたから、考え方とかも卑屈になっちゃってたのかもしれない。
いや、普段から前向き……どころではなく後ろも後ろのマイナス思考な私なんだけど……。
「そっか……」
「確かに、モブ菜ちゃんは美人だし、一緒にいたらドキドキするし、最初は緊張してろくに会話も出来なかった。腕を組まれたりなんかしたら色々想像するし、そういう気持ちになったことも……認める。だ、だがっ、それだけだ!」
「それだけとは」
「そんなのは、テレビや雑誌で見る女に感じるのと変わらないだろうっ……けど、お前とは……ナス子とは、その後の事まで考えてしまうんだ。今だけじゃない、未来を……付き合ったら……結婚したら……子供が出来たら……年を取ったら……それって、そういうことだろう?」
「………………っ……!」
カラ松の言いたいことがわかって、また顔が熱くなる。
どうやら、本当の本当に……もしかしたら、私が思っている以上に、カラ松は私のことを好きでいてくれているのかもしれない。
そう思えるほどには、今の言葉は胸にきた気がする。
恥ずかしくなってしまって、カラ松の顔が正面から見れない。