第62章 【一松ルート】デカい猫保護しました
散々愛し合い、二人は肩で息をしながら布団から起き上がる。
「……っもー!! 私の大事な休日がっ………!」
「ぜぇ、はぁ……もう、ダメ……俺よりお前の方が体力あるんじゃないの?」
「変な事言わないで!! 踏むよ?!」
「えっ……お、お願い、します」
「あああぁ、もう! ドMなの?! ドSなのどっちなのぉおお」
肩で息をしながらも、一松は幸せそうにナス子を見る。
ナス子は疲労と恥ずかしさで暴れまわって、やはり殺虫剤をかけられた虫のようではあったが、今の虫は愛しい。
「お風呂入ってくるから、ここの散らかってるの……か、片づけてよ?!」
散乱された服、下着、ゴムの数々を見ながら直視できずに振り返る事なくナス子は風呂へと向かって行った。
「……………はぁ」
大きく息を吸い、溜息を吐くとまた溜まってしまう幸福感に若干不安を感じてしまうのは一松の悪い所。
今は今でいいと思えれば楽なのだが、それはもうネガティブでもマイナス思考でもない。
そしてそんな思考の一松の中には実を言うと、誰にも話せないでいる不安な思考があった。
兄弟は勿論、恋人のナス子にすらも言えない事。
初めて二人が結ばれた日、あろう事か生で致してしまい、それがどうなるかわからぬまま夢中になってしまった。
中で果てる事はなく、その白液は相手の腹部へと飛ばされたのだがそれでも不安は尽きない。
みゃあ~
ミケ子が一松に擦り寄ると、一松は辺りを確認しミケ子を見直す。
ゴクリと唾を飲み込み、おずおずとその言葉を口に出してみた。
「………ぱっ……パパ……でちゅ、よ~……あぁ、無理。 死ぬ」