第62章 【一松ルート】デカい猫保護しました
その始終を木の陰から密かに見ていた同じ顔の二人がおそ松の両端に座ると、同時におそ松へと肩を乗せた。
「よく頑張ったなおそ松。お前なら一発くらいは殴りに行くと思って止めに入る準備をしていたんだが……立派だったぜぇ」
「うっせーよ、クソ松」
「まぁ、出来る事なら喧嘩は避けたいよね。 僕ら兄弟なんだし。 よくあんなにあっさり鍵を返したもんだよ、ていうかスペアキーの事知らなかったんだけど? そこは後で説明してもらうからね?」
「はぁ?! もう返したんだからいいでしょ別に!!」
カラ松とチョロ松が弟を心配して見に来ていたのだが、その二人のやり取りを見て安心すると落ち込む長男のフォローに入った。
「いいよいいよぉ、俺にだって彼女はい━━━っぱいいるんだから! 画面の中に!!」
「ハハン、おそ松! なんなら今度一緒にカラ松ガールを待つ俺と共におそ松ガールも探」
「なんで弟の手に渡ったのに僕ら諦められないんだろうね、ま、隙があったらいくらでも……」
「俺、なんだかんだでお前もゲスいと思うんだけどぉ?」
弟の心配をしながらも尚、横取りを狙う姿勢は崩さない。
しかし今は何をしようと言う思いはなく、今日だけは一松の勇気を立ててやる事にする兄松達。
「あれはあれで、男だからこその選択肢ってか~」
「暴力が全てじゃないからね、おそ松兄さん?」
シコ松の言葉に目を細め拗ねた顔もするも、今夜は四男の成長を祝うという名目で、三人で飲みに行く事にするのだった。