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【血界戦線】番頭さんに珈琲を

第2章 告白されました



 とりあえず、どうにか自分を押さえつけ、フフンと鼻で笑う。
「全く仕方ないですねえ。今回は許してさしあげますが、次はちゃんと一人で寝るんですよ?」

「なるほど。命がいらないようだな、君は」
 ニヤリと悪魔の笑みがっ!!

「……っ!!」
 私はデコピンないしヘッドロックに備え、頭を庇おうと――。

 むにっ。

「……!?」

 両の頬をつままれる。そのまま、むにむにと揉まれた。
 と言っても力を入れられてないので、痛くもかゆくも無い。
「何すりゅんれすか。すてぃーぶんしゃん」
「うーん……、やっぱり効果はイマイチだな」
 スティーブンさんは私の頬から手を離した。いだ!

「げふっ! な、何の話ですか!?」
 するとスティーブンさん、私をふところに抱き寄せながら、

「いや昼間、話の流れでさ。君が生意気なことを言ったとき、額を指で弾いたり頭部を締め上げていると言ったら、クラウスにものすごく怒られてね。
 レディへの態度としてあるまじきことだと」

「クラウスさん、グッジョブ!!……と言いたいですが、一体どういう話の流れだったのか気になります」

「ギルベルトさんにまで苦言を呈されてしまった。はぁ。あの二人に謝るなんて、久しぶりだ」
「スルーですか。そして謝る対象は、本当にそのお二人で良いんですかね?」

 スティーブンさんの腕の中でもがくが、敵は私を解放する気配がなかった。

「だから仕事の間を縫って、僕は一生懸命考えた。君へのおしおきを。
 出来れば今よりは、もう少し性的な方向で」

「マジで寝て下さい、スティーブンさん。言動がどんどんどんどん危なくなってます。
 あと一言言わせていただくと、その、死ぬほど余計な考え事さえ無ければ、もう一時間は早く帰れた気がいたします」

「最初に、君の身体に触れることを考えた。僕と君は恋人同士だから、ボディタッチは問題ないし、男性に慣れない君に、適度な動揺を与えられる」
「ほほう」
「だが却下せざるを得なかった。男を知らない年頃の君だ。刺激を受け続けると、君が自分自身を抑えられなくなる可能性があったからだ」

「これほどに詭弁という言葉をつきつけたい言動を知りません。
 あと相手が嫌がってたら、ボディタッチも普通にセクハラですからね」

 もがいたが、奴は頑強に私を抱きしめ続けた。

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