第2章 告白されました
女性として喜ぶリアクションの方が、好印象だったか!?
あ。でも別に好感度は下げていいのか。別れる前提のおつきあいだし。
すると、
「そんな顔をするなよ。誰にでも苦手なことはある。早く帰れたら、夕飯は一緒に作ろう。
簡単にできて美味しいレシピを教えてあげるから」
私の頭をくしゃっと撫でて笑う。
「スティーブンさん……」
目をうるっとさせてしまう。
……て、私の方が好感度を上げてどうするんだ!
好きになるな、好きになるな!!
「そういうわけで、チリ一つでも残っていたら拷問だから」
「鬼軍曹ーっ!!」
好感度は即、急降下した。
そして玄関までスティーブンさんをお送りする。
「クラウスさんに、昨日のお礼をよろしくお伝え下さい」
「分かった。帰りが遅くなったら、先に食べていていいから」
「はい、いってらっしゃい」
「いってきます」
そして二人で触れるだけのキス。
ドアが閉まる。オートロックがかかり、スティーブンさんの家には、私だけになった。
「さて、お掃除を頑張りますか!!」
腕まくりをする。
このホコリだらけの家をピカピカにして、スティーブンさんがお帰りになったとき、驚かせてやるのだ!!
…………
…………
窓の外は真っ暗であった。そして玄関が開く。家主の帰宅である。
そーっと、そーっと、音を立てないように歩く音。
リビングに続くドアが開き、ライトがついた。
「ハルカ! まだ起きていたのかい?」
目を丸くするスティーブンさん。私が寝ていると思ったらしい。
「……おかえりなさい」
私はソファでクッションを抱え、力なく呟いた。
ちなみに時計の時刻は三時を指している。むろん、午後三時ではない。
「ごめんよ。遅くなった。任務遂行中に、想定外の襲撃を受けてしまってね」
コンビニの惣菜を買い損ねた、みたいな感覚で言ってくれる。どういう会社に勤めてるんだ、マジで。
スティーブンさんは、目の下に疲労によるクマを作った状態。
ソファに力なくうずくまる私を見、
「もしかして、何も食べていないのかな?」
「もうちょっと待てば、帰ってくるかなあと思ってズルズルと」
「分かった。僕も朝から、紅茶と珈琲とレッ○ブルしか胃に入れていないんだ。何か作ろうか」
それ、カフェインで内臓がヤバくなるやつ!!