第6章 悪夢の外伝
■サプライズな話
宵の口。
夕食も食べ終え、私はスティーブンさんのお膝の上に座り……いや座らされ、Nintend○ Switchの真っ最中であった。
スティーブンさんは私の頭や胸を触り(触るな!)、私の頭に珈琲カップや雑誌を置き(置くな!)、マイペースにくつろいでおられる。
「そういえばハルカ」
「あ?」
「ハルカ~?」
「何でございましょう、ご主人様!」
長い指で頭部をわしづかみにされ、即、暴力に屈した弱き私であった。
「もうすぐ誕生日だったよね」
「ええ。14月43日……いだだだだ! ゲーム中に高レベルな返しを期待しないで下さい!」
「君の冗句がイマイチだったことには同意するが、僕は君とコントに興じるつもりはさらさらない。
恋人と普通の会話をしたいんだ。あと人と話している最中にゲームは止めなさい」
罵倒と説教を織り交ぜながら返され、私は泣く泣くゲームを中止した。
恋人の胸にもたれると、嬉しそうに私をハグしてくるスティーブンさん。
もう~。そんなに私に構われたいのか。甘えんぼさんめ。
「……気のせいかもしれないが、馬鹿にされている気がする」
「『気のせい』で暴力を振るうなー!!」
「暴力? 力の限りに頭部を圧迫してるだけだろう? それとも胸の方が良かったかい?」
「止めなさい!! ぶるんぶるん揺らすなっ!!……ん?」
お尻に感じる『スティーブンさん』が何やら硬度を増したような。
ご本人も気づいたのか、
「……。ゴホン。その、ハルカ……」
触り方が、さっきみたいな『おふざけ』ではなくなってきた。
私は急いで、お膝の上から逃げようとしたが、ガシィっと腕の中にからめとられる。
そしてジタバタする間もなく、性急にソファに押し倒された。
「変態」
「口の利き方に気をつけなさい。おしおきが必要だな」
恋人は邪悪な笑みを浮かべながら私に手を伸ばし――。
…………
…………
「……で、何の話だったんですか?」
ドッと疲れた後、スティーブンさんのお膝の上に頭を乗せる。
ちなみに服は着ていない。全て剥がされソファの下に落ちている。
「いや、だから君の誕生日の話だよ」
自分は一枚も脱がず、全裸の私にタオルケットをかけ、頭を撫でるスティーブンさん。
誕生日?