第6章 悪夢の外伝
はあ。室温調整機に加え、私の能力もあって脱衣ルームはぽかぽかでぬっくい。
……ゆえに、寒さを理由に場所を移るという提案は、却下される運命なのだ。
「……っん、んん……はぁ……」
唇を重ねられたまま、お尻を触られる。
抗議はしたいけども下からの激しい刺激が気持ち良すぎて、何も出来ない。
「ハルカ。可愛い」
笑う声。
想い人も何だかんだ言いつつ、私に負担にならないようにゆっくり進めてくれる。
でもじりじりと責められるのが、また良くて……。
「ハルカ」
愛おしげ……ではなく楽しそうなケダモノの眼差しに射すくめられ、目で命令されるまま、自分から唇を重ねに行く。
「スティーブンさん……」
悔しい。毎回頭が溶けそうになる。
でも飽きることなく舌を絡め、従順に身体を委ねる。
スティーブンさんは慣れた感じで、私はまだぎこちなく相手の身体に触れた。
「ん……んぅ、……ぁ、……ん……」
心地良い。舌先で胸を食(は)まれ、両手で優しく揉まれる。
全身が熱い。もう支配されているのに、より強い刺激が欲しくて、無意識に腰を動かしていた。
「……ぁ、ん……」
「ん? 積極的だな、ハルカ。気持ち良いのかい?」
敵が私の胸を愛撫しながらニヤリと笑う。
「……っ!! い、いや、これは、その……!!」
こっそりと腰を動かしてるのがバレた。いやそらそうか。
「いいよ。自分がやりたいように動いてくれて」
「ヤダ!! 絶対ヤダ!!」
羞恥心でいやいやすると、笑ってキスをされた。
「そう? 今のハルカの顔がすごく可愛かったから、もっと見たいだけなのに」
……優しそうな顔で言うなよ。この鬼畜番頭が。
「ん……んん……っ……」
き、期待されてるからじゃないからね!?
強要されてるから渋々なんだからね!?
でもたくましい腕に抱きしめられ、私はゆっくりゆっくり身体を動かした。
「はぁ……あん……っ……」
自分が気持ちいいとこを刺激して、真っ赤な顔であえぎ声を出す。勝手に濡れるのが分かる。
「ふうん。そこがハルカの好きなとこ?」
うっさいうっさいうっさい!!
顔を背けたが、敵は笑っているのであった。