第5章 番頭さんに珈琲を
このままで良いんだろうか。
ヘルサレムズ・ロットに残ると決めた。
それはいい。ただ、これからの過ごし方だ。
スティーブンさんにただ守られ、安全な場所でぬくぬくと暮らしていていいんだろうか。
「ハルカ?」
「…………っ!」
考え事してたのに!!
「ほら、もっと頑張ろう。昼間は僕のことを考えて頑張ってくれていたんだろう?」
「い、いえ、あれはわたくしのハイレベルジョークと申しますか……」
「ハイレベル? へえええぇ?」
「……っ! ゃ、……じ、冗談っす……!」
気持ちいいところを緩やかに擦られ、声が上がる。
「人をからかって余裕じゃないか、ハルカ。
僕は君を欲求不満にさせていると反省し、急いで帰ってきたというのに」
「え。むしろ欲求不満はスティーブンさんの方――ぁ! や、やだ、そこ……!」
イキそうになり、必死に自分を抑えた。
「す、スティーブンさん……その、やっぱり、ベッドルームで……」
「分かってるよ。コレが終わったら」
うーむ。帰って来るなり、ネクタイを外す手間すら放棄し、私を押し倒してきた男が言う。
シャワーくらい浴びさせろと、抵抗はしてみたものの、何やかんやで言いくるめられソファに押し倒されました。
お互いにほとんど脱いでません。
下着をぶんどられ、シャツもボタンを外した程度で、靴下も脱げかけでそのまんまっす。
「何か……襲われてる気分」
「そうかい? その割に……」
足を開かされ、ぐじゅっと突き上げられる。
「……ひっ!……い、いや……っ……」
顔を赤くして首を振る。いや、余裕だし。い、今さら恥ずかしがってないし……!
「それに、どこかに食べに行こうって……」
現在進行形で(性的に)食べられておりますが、それはさておき。
「後で何か作ってあげるよ。何がいい?」
「A5和牛の……サーロイ……んっ!!」
サムズアップで爽やかに答えたのに、無表情に胸を揉まれた!!
「まあ適当にサンドイッチでも作るか」
「適当!?……ぁ、ん……」
抱き上げられ、座ってるスティーブンさんに向き合うように、座らされる。
当然、下から貫かれるような格好になり、顔を赤くしてうつむいた。
スティーブンさんはニヤニヤと、悪い笑顔であった。