第1章 連れてこられました
うわ。40℃近い高熱で一晩苦しみ、今も38℃くらいあるから……身体がバランスを保ってられない。
クラッとした。
「どうした、ハルカ!? え……!?」
音で振り向いたスティーブンさん。私と目が合う。
同時に、私の身体はボフッとベッドに倒れた。
「……!!」
見られた。一瞬だけど、ほぼ全裸を……完全に見られた……!
「わ、悪い!」
慌てて後ろを向くスティーブンさん。
私も大慌てでタオルで全裸の身体を隠し、
「ここここちらこそ! すすすみません!! 一気にやっちゃおうと思って……!」
そう言うと、深呼吸の音。『ゴホン』と咳払いが聞こえて、
「ああ、そういうことか。でも高熱なのに、いきなり立ち上がったら倒れるだろう?
身体だって冷えるし、ゆっくりやらないと」
おお。さすが大人だ。声に動揺がない。
「すみません……」
彼は後ろ手に何かを放る。
ベッドに放られたのは、新しい下着とパジャマだった。
「着てくれ。でないと手伝うよ?」
「はいっす……」
うう、大人の余裕と小娘の差!
失態に落ち込みつつ、高熱のダルい身体でどうにか新しい衣類を身につける。
はあ~。すごく恥ずかしかったけど、さっぱりした。
「もういいかい? そっちを向くよ?」
「どぞ」
私はベッドに座り、スティーブンさんを見た。
……ん?
スティーブンさんは私に近づき、
「着替えたなら、ボサッと起きてない。ほら。寝た寝た」
「あ……はい……」
私は硬直しつつ、『あるもの』を凝視する。するとスティーブンさんはニヤっと笑い、
「何だ? 僕に見られて、そんなに照れたのかい?
不精するからこんなことになるんだ。悪いけどね。
こっちはガキの身体に興奮するほど、ウブじゃあないからな?」
『ウブ』ってどういう意味だ?と思いつつ、つい『あるもの』に目が行ってしまう。
「……?」
スティーブンさん。不思議そうに私の視線を追い――。
「――っ!!」
一瞬、固まった後、ダッシュする。
私に何も言わず、盛大な音を立てバタバタバタと部屋を出て行った。
「……あなただってガキじゃん」
私は耳まで真っ赤で枕に顔をうずめる。
うん。なんていうかね。
スティーブンさんのおズボンの股間が……ちょっと、盛り上がってた。