第4章 開き直りました
■スポーツな話
「閑話がまた続くのかよって? まあ気にせんといて下さい。次あたりで本題に戻ります」
「ハルカ?」
「――はっ!!」
私は我に返り、キョロキョロする。
「わ、私は今、何を口走って……!?」
この前のオオカミ事件といい、何なんだろう。
パニクっていると、大きな手が額に当てられる。
スティーブンさんである。
「大丈夫かい? 今日は寝ていた方がいいんじゃ……」
「いえいえいえ! 大丈夫です。きっとスティーブンさんへの愛が暴走して、愛の言葉を口走っていたに相違ございません!」
「いや絶対違うと思うよ」
スティーブンさん、私の髪の毛をくしゃくしゃにする。やめい。
さて、今日はスティーブンさんの休日。
なので昨晩は頑張り、今日は朝からダラダラ……コホン、のんびりと優雅な休日です。
今はブレックファーストも終わり、リビングのソファで、まったりタイム。
スティーブンさんは私をお膝に乗せ、二人で楽しくおしゃべりしておりました。
「ハルカ。今日は何をしようか。予約の時間まではまだまだあるし」
私の髪をすき、口づけ、頬をつつく。くすぐったっ!
「何か新しいことでもしよう。カードゲームでも教えてあげようか? それともチェスでも」
私はスティーブンさんにもたれ、
「じゃ、ゲームしましょう。じゃんけんをして、勝った方が庭に穴を掘り、負けた方がその穴を埋めるのです」
「…………。史上稀に見る虚無の発想だね。ゲームというかただの拷問だし、しかも勝った方が多くの労力を払ってないか?」
律儀にツッコミを入れてくれるあなたが好き。
「いったい、そんな発想がこの可愛い頭のどこから出てきたんだ」
こら。コンコンと頭を叩かんで下さい。『中身』ちゃんと入ってますから!
私はスティーブンさんに向き直り、
「ならば趣向を変えて、相手の好きなところを順番に言うゲーム!!
はい先攻スティーブンさん!!」
「勝ったら何が出るんだい?」
苦笑しつつ、私を抱き直すスティーブンさん。私はゴロゴロともたれつつ、
「相手を好きに出来ます!」
スティーブンさんは笑う。
「面白そうだ。じゃあ僕から行こう。可愛いところ。はい、ハルカ」
「はい! ええと――」
……沈黙。