第3章 開き直られました
スティーブンさん宅で、私はダラダラしていた。
午後の日がぬっくい。
つっても私の周りは常に春の気温なので、実際の気候なんて分からないけど。
「ヒマだな~」
クルクル回る、天井のシーリングファンライトを眺めながら、私もキャスター付きの椅子でクルクル回る……酔った。アホか。
こんなときツッコミを入れてくれそうな、優しい恋人はいない。
「スティーブンさん……」
スマホを見るが通知は無し。ソニック君の壁紙マジ可愛い。
「いや見たいのはスティーブンさんなんだけど……」
変態扱いしないで、素直に写真送ってもらえば良かった。
「……いや、でも裸の写真送るのはないからっ!! あれはスティーブンさんの冗談だと思うことにしたからっ!!」
スマホを握りしめ叫んだのであった。
コホン。大方の掃除は終わった。
報告しようかと思ったけどスティーブンさんからのメッセージはピタッと止まった。
どうやらお仕事に入られたらしい。変な通知でお仕事の邪魔をしたくはない。
「てか、ホントにヒマ……」
ソファでゴロゴロする。
私のスマホは電話とメッセージ以外はほぼ機能制限されてるので、時間をつぶすことも出来ないし。
「……て、小学生か!!」
でも機能制限回避したとしても、使用履歴とか見られたら、使ったこと自体はバレちゃうか。
スティーブンさんに『悪い子』と思われて嫌われるのだけは嫌だ。
「うーん……」
スマホはあきらめてテーブルに放置した。後はスティーブンさんの取ってる新聞各紙に目を通したり、経済情報誌を読んでみたり。
「ぐー」
……半時間で力尽きた。
「ヒマだ……」
私は窓の外を見る。いい天気だ。
「散歩、行こうかな」
ボソッと呟いた。
「いやでも、いつ安全確認の連絡があるかも――うおっ!!」
言うが早いかスマホが鳴った。一瞬固まり、表示されてる名前がスティーブンさんだったので大慌てで取る。
「はい、ハルカ――」
「スティーブンだ。五コールかかったが、そちらで何か異常は?」
「ないですないです! ただ驚い――」
「分かった。次はすぐ出るように」
ブツッ。
「…………」
私は呆気にとられてスマホを見つめ――ため息をついた。