第3章 開き直られました
予想はしていたが、予想通りすぎた。
「…………」
ヤバい下着がこれでもかというくらい、詰まっていた。
「ホントに、どんな顔して買ったんすか……」
そういった『職業』のお姉様が着るとしか思えない下着を手にし、私はしばし戦慄に震えたのであった。
…………
そして。
パシャッとスマホのシャッター音がして、どうにか写真が撮れた。
「う、うーん……」
そこには派手すぎる黒いブラをし、顔を真っ赤にしてぎこちない笑顔を浮かべる小娘がいた。
手ブラも併用し、デリケートなとこはギリギリで見えないようにした。
か、肩ヒモがズレてる方がエロいんだよね!? 前にグラビアで見た!
「……上半身裸も裸のうちだよね」
恐る恐る、送信ボタンを押した。
べ、別に照れているわけではない! 万が一、写真を見られたときのスティーブンさんの社会的地位を慮(おもんばか)ってのことである!
「んあ」
もう新着メッセージ来た。即レスすぎないか?
ちゃんと仕事してんのか、スティーブンさん?
それより怒ってないかな。
あんな恥ずかしさを必死に我慢してるような、中途半端な写真。
ドキドキしながら開くと、
『壁紙にしていい?』
「いいわけがあるかぁっ!!」
通話でもないのにスマホに怒鳴りつけた私でありました。
「あ、そだ!」
私は慌ててメッセージを打った。
『スティーブンさんの写真も欲しいです!※まともな写真でお願いします!』
皮肉っぽいかな。
でもこの流れだと、スティーブンさんの裸写真をねだってるみたいだし。
まあ。それはそれで……『あり』だけども……!!
そしてソファで正座待機し、ドキドキしながら待つこと数分。
「来たーっ!!」
メッセージが戻ってきて、内心はしゃぎながらメッセージを開いた。
「…………」
『ごめん。自撮りってあまりやらないから失敗した。これで良ければ待ち受けにしていいよ♡』
……相変わらず可愛いですね、ソニック君。
自撮りしてるスティーブンさんの真ん前に割り込むとか、どういう奇跡だ音速猿。
スティーブンさん、スーツの端しか映ってないし。
あとあなたの『♡』にある種の悪意を感じますが。
でもソニック君が可愛かったので、待ち受けにしましたとさ。
どっとはらい。