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【血界戦線】番頭さんに珈琲を

第3章 開き直られました


※R18







「……ん……ぁ……っ!」
 ずぐっと突き上げられ、嬌声がもれる。
 気持ちよさに震えながらスティーブンさんにしがみついていると、

「嫌いになったりしないよ。安心して」
 スティーブンさんが起き上がる。
「……ぁ」
『角度』がちょっと変わり、変な声が出た。

 スティーブンさんはバスローブを脱いだ。そして誰かさんに所々破かれたりして、胸は完全に丸見え、もはや『身体に引っかかってる単なる布』と化したベビードールをそっと脱がせた。

 そして互いに一糸まとわぬ姿となり、スティーブンさんは手で私の顔を少し持ち上げる。

 目を閉じると、キスが落ちてきた。
 しばらく唾液の絡む音が聞こえた。
 唇が離れても夢心地でいると、


「僕はずっと、君を好きでいるよ。大切にする。ここにだって、何度でも連れてきてあげる。約束する」

「……スティーブンさん……」

 嬉しくてすり寄るようにすると、

「だからハルカも約束して」

「え?」

「僕の言うことを聞いて、決してそばから離れないと。誓ってほしい」

「…………」

 熱に浮かされていた頭が、わずかに冷静になる。
 
 欲しいものは無条件で全て与えられるものと信じていたガキの私は、若干冷や水を浴びせられた。

「誓えるね? ハルカ。僕の言うことは絶対だと」

 スティーブンさんの目が光を帯びている。
 行為の際の戯れではない。

 支配欲と独占欲。

 獲物を追い詰めた、獰猛な狼の目だ。

 従順でいると誓わされようとしている。
 上下関係のある恋人。対等では無い。

「ハルカ? 返事は?」

「えと、その……」
 
 私を何度か殺しかけた人。
 身体の関係が出来ても、寝室にすら入れてくれない人。

 未だに職業すら分からない。隠し事の多すぎるこの闇をまとった危険な人に。
 
 私の全てを捧げます、何も見ません聞きません逆らいません、支配して下さいと。

 そんなことを誓っていいのだろうか。

「……んっ……」

 まるで私のためらいを読んだかのように、腰を動かしてくる。

「ぁ、ゃ、だ……スティーブン、さん……そこ、ダメ……っ……」

 気持ちいい。快楽に、再び私の思考がマヒしてきた。


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