第3章 開き直られました
※R15
私の呪いの効かないホテル。
これ以上にないくらい、最高の一日。
そしてそんな一日をくれた――最高の恋人。
「……っ。気持ちいいよ、ハルカ」
少し乱れた声の主に、くしゃっと髪を撫でられた。
しかしこの構図……。
「うん、そのままゆっくり舌先を動かして。無理に咥えなくていいから。ん……っ。
そうそう。良い子だね、ハルカ」
どういう構図かと言いますと、ベッドの上でエロい下着を着て、バスローブのスティーブンさんにフェラしております。
「……っ……そうだよ。その力加減だ。初めてにしては上手いじゃないか、ハルカ」
頭を撫でられ褒められても、イマイチ微妙な気分である。
”初めてにしては”……ね。
「ん……」
とはいえ、初体験の私は涙目である。処女喪失の時ほどではないとはいえ、口を開けっぱなしにするのが、こんなに苦しいことだなんて思わなかった。
「口が疲れた? いいよ。無理しないで。下の方を舐めてくれる?」
あちらはお見通しであった。
「げほっ……はい」
ホッとして一息ついた。
当たり前だけど、こんなカッコいい人でも皆と同じモノがついてるんだなあと思いながら、ペニスの根元に顔を近づけ、じっとりと濡れた部分を舐め上げる。
「……っ……」
伸ばした手に、レースの上から胸に触れられ、ビクッと身体が震えた。
「頑張ってるご褒美。気持ちいい?」
……悔しいけど気持ちいい。
「ハルカは僕に胸を弄られるのが好きだよね」
何で私でない人が、私の性癖に詳しくなりつつあるんだ!
突っ込みたいけど、もう一度、ペニスをくわえてみた。
スティーブンさんはご機嫌である。
「そうそう。息を吸うみたいに……んっ……いいよ、ハルカ。可愛い」
『教え慣れ』感があるあたり、私の『前任者』の女の人が何人もいたんだろうな。
でも、そんなこと口にしない。『独占欲むき出しの面倒なガキ』って冷められるかもしれないから。
「はふ……っ……んん……」
口の間から息が漏れる。余裕な顔をして、スティーブンさんのモノは口の中でギチギチだ。
私自身は特に気持ちいいわけではないけど、スティーブンさんがコレで喜んでくれるのは単純に嬉しかった。
……ちょっと身体の芯が熱くなってきた。