第3章 開き直られました
とか何とかジャレてるうちにブラを外され、
「はい、足を上げて」
ふつーに下も脱がされてございます。ちなみに下は下で、おヘソまで生地のある、お腹に優しいパンツです。やはり粗悪品ですが。
「お金を渡すから、明日下着を買ってくること」
「はーい」
「さ、入ろう」
スティーブンさんに腰を抱かれ、寄り添うようにバスルームに入る。
むわっと湯気が立った。
ずっと水風呂生活だったので、ずいぶん久しぶりのちゃんとしたお風呂だ。
でもこんなに緊張してて、バスタブを楽しめるかなあ。
…………
…………
スティーブンさんに背中から抱っこされ、一緒にバスタブにつかってる。
「……ハルカ?」
ちゃぷっと音がする。
ああ、いいお湯。ソープの香りでほわほわする。何か花びらも浮いています。
「ぼへ~」
「ハルカ? 聞いているかい」
「ほわ~ん」
私はスティーブンさんにもたれ、お湯を楽しんでおります。
「……知能指数が下がっていないか? おーい」
「ふい~」
肩まで湯につかり、私は限りなく退行しておりました。
ああ、湯船に知能指数が溶けていく。
「あ、あのさ。ハルカ。君が喜んでくれて、僕もとても嬉しいよ。
でもね。もう少し、こう二人で触れあいを……」
いやらしい感じに胸に触れられるけど、私は『ふにゃあ』と謎の言語を発したきりだった。
「…………。君はいつも僕の忍耐力を試してくるな」
何言ってるか分からん。ああ、入浴剤が良い匂い。
別に肩こりでも何でもないが、肩こりが取れる~。
「仕方ないな。君が無反応なら好きにさせてもらうよ。こっちを向いて」
「はわ~」
ぽちゃっと波を立てて、私はスティーブンさんに向き合わされる。
「キスをしよう」
「ん……」
頬に手を当てられ目を閉じると、唇が重なった。
温かい。熱い。
スティーブンさんがお湯に濡れてる。黒い髪から雫が垂れてる。かすかな汗と、身体のタトゥー。
私を見て微笑んでいる。
「熱気に当てられた君が、こんなに艶めいた顔を見せてくれるなんてね」
「スティーブンさん……きれい」
ぼーっとして応えると苦笑された。
アゴに指を当てられ、顔を上げさせられる。
「君は褒め方が下手だな。ハルカ」
そう言われ、また唇が重なった。