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【血界戦線】番頭さんに珈琲を

第3章 開き直られました


 …………

「あの流れの後で、なぜこんなことになるっ!」

 一時間後。リビングのソファでわたくし、怒りに打ち震えていた。

「ん? オプションR追加でって言っただろ? ほら、客への態度がそれか?」

 私を膝にのせ、服の上から胸をもみしだきながら、クソ客が言う。

「あとカーテン無いんすか、ここの家!!」

 やたらデカい割に、覆い一つ無い窓を睨んだ。
 スティーブンさんは、ちゅっと髪に口づけながら、

「うーん。特注品になるから高いしなあ」
「割と経済的な理由!?」
「冗談だよ。外から見えるような、安いセキュリティはしてないさ。
 ……ところでハルカ。あの店の看板の写真、可愛く撮れてたじゃないか?」

 ああ。モコモコパジャマ着て、ぬいぐるみ抱いて笑ってたやつ?

「え? そうですか? いやあ、私も可愛く撮れたなあって、ちょっと嬉しかったですね。
 他にも色んなコスチュームで写真撮られましたねえ。
 オプション用の服だって、もっと過激なものがあって――」
 そういえば結局、着ずにバイトを辞めちゃったな。
 ホッとしたようなちょっとガッカリしたような。

「過激? まさか、そんな衣装で男とベッドに入ったと?」

 ヤバい。スティーブンさんのまとう空気が下がりつつある。
 錯覚ではなく、本物の冷気を立ち上らせてくるから怖いんだって!

 あとボタン外さんといて。
 胸を平然と露出させないで。
 何かいやらしい感じに弄らないで。
 
「ん……っ。大丈夫。着てません!」
「でも写真は撮らせたんだな?」
「…………え。ええ」
「潰す」

 ボソッと呟いたのが大変に怖かった。

「だが、今は君へのお仕置きが先だな。さてオプションRを利用させてもらうか」
「待って待って待って」

 だがそのまま、ボスっとソファに押し倒された。
 スティーブンさん、ソファの背に手をかけ、私を見下ろしながら、

「今日はたっぷりと、おしおきをさせてもらうから、頑張れよ」

「いいいいいや二回目だし! それ、単なるプレイですよね。ごっこ遊びですよね!?」

「いいや本番。あ、おこづかいが欲しいのかい? いくらいる?」

 止めろ。
 ポケットから100ゼーロ札数枚出して、手慣れた様子で私のブラに挟んでくんな!
 
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