第1章 再会ってはやくない!?
何と答えたらいいものかと口をもごもごさせていると、原君が代わりに口を開いてくれた。
「ごめんね~急に変なこと聞いちゃって、この子花宮大好きちゃんでさ」
「そんなんじゃない」
「いや、大好きっしょ。花宮に近づく女子がいるといっつもその質問するじゃん。けん制でしょ、けん制!」
原君のおちょくりにオレンジ髪の男の子がぶはっと噴き出した。
「ただの興味本位だ」と黒髪短髪の子が無表情で答えれば、また爆笑が起こる。
ほーう野生のボーイズラブか。
花宮も無表情くんもなかなかに端正な顔立ちをしているし、イケメンが戯れているのは絵になる。
しかし花宮に懐くなんてこの無表情くんはかなりの変わり者だ。
過去に二人でなにかあったのだろうか。
例えば無表情くんがバスケ部に入ったのは不良に恐喝されたところを花宮に助けられたのがきっかけ、なーんて。
いやいや、花宮に限ってそんなことはしないか。
むしろ恐喝する側の方が似合う気がする。
「お前らいっかい黙れ」
ため息交じりの花宮の一喝。
その一声で騒いでいた声がぴたりと止まる。
おお、さすが部長。
「それから越智さん……くだらないことを考えるのは後にしてください」
ぎくり。
花宮はエスパーか何かなのかな。
後ろめたい妄想をばっちりしていた私はそっと目をそらす。
「こんな調子じゃいつまでたっても本題に入れないんで、さっさと言います……
越智さん、一週間俺らのマネージャーになってくれませんか?」
「…………マネージャー??」