第4章 本当の気持ちはどっち?
*****
確かに私は朝から体調が良くなかったと思う。
昨日の夜、結局すべての洗濯物を乾燥機にかけるところまで終わったのは夜3時頃だった。
洗濯機を回している間に洗い終わった物をたたんでいたけど、最後の洗い終わったジャージなどをたたむには体力が足りなくて、やろうと思っていた調べ物もできず眠気と闘いながらようやく床に着いた。
睡眠不足でも皆の食事は作らなくちゃいけないし、畳み終わってない洗濯物はたたんで、たたんだ洗濯物は皆のところに運んで。
本当は調べ物もしたいと思いながら朝からずっと体を動かしていたから、こうやって体に無理がでてしまったのだろう。
花宮はちゃんと無理が出ないように予定をたててくれたのに、自分のできる範囲を守らずに動いたから体調をくずしてしまった。
だからこうやって、今花宮ににらまれている状況にも私は納得していた。
「水分補給はちゃんとしてましたか?」
「えっと……たまに?」
「真夏は飲みたいと思わなくても水分補給は頻繁にしないといけないって、高校生でも知ってることだろ」
「はい……」
医務室と呼称されている10畳ほどの部屋には、ベッドが二つと小さな机が一つ。
机の上には救急セットがおかれている。
ベッドの一つに寝かされた私は、もう一つのベッドに腰かけた花宮から質問攻めにあっていた。
「昨日は何時に寝ましたか?」
「………………12時頃に」
「本当は?」
「…………すみません、本当は3時頃です」
「なんでそんな夜更かししてんだ。睡眠不足は体調崩す一番の元だろうが」
質問内容は医者みたいなのに、口調に圧を感じる。
たまに敬語がはずれるのが、めちゃくちゃ怖い。
「昨日は何だか寝付けなくて」
私がそれっぽい言い訳を言うと、すぐに花宮から嘘だな、と返ってきた。