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君の計算を狂わせたい・続【黒バス/花宮】

第4章 本当の気持ちはどっち?



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ザキside


この合宿施設において唯一の女性であるまゆりさんは否応なしに目立つ。
多くの部員たちが歩く中に紛れていたとしても一瞬で見つけられるだろう。

しかし今日のまゆりさんは違った意味で目立っていた。
目立ってるっていうか、様子がおかしいっていうか。

どこか忙しそうに早足で歩いているんだけど、上体が不安定に揺れているような。
俺の勘違いだろうか。
声をかけてみてもいつも通り笑ってるし、俺が大丈夫かって聞いても秒で大丈夫が返ってくる。

仕事がたまっているのか朝から忙しそうにしてるし、あまり引き留めているのも悪いと思ってそうそうに会話を切り上げたけど。
本当に大丈夫なのか?


バーベキューの時もそうだったけど、まゆりさんは俺の心配に必ず大丈夫と答える。
その言葉で、本当は無理しているのをごまかしているんじゃないかってますます心配になるんだけど、なんだかんだでまゆりさんの大丈夫にいつも押し切られてしまう。

最近なんだかまゆりさんの心配ばっかしている気がする。
これじゃあ俺がまゆりさんのこと好きみたいじゃねえか。
でも昨日からはマネージャー業務も手伝ってくれてるみたいだし、仕事を引き受けすぎてないかとかさ、なんか心配になるだろ。


そもそも花宮がもっと気にかけてやるべきことだと思う。
もともと花宮の知り合い? ってことで呼んだわけだし。

バーベキューの時以来なんとなく以前のように話せていない花宮の事を考えて俺は息をはいた。

花宮のまゆりさんに対する行動に対して納得がいってなくて、俺が一方的にここ数日避けてしまっている。


そんなことを考えていると、廊下を歩くまゆりさんの後ろ姿を見つけた。

まゆりさんはきれいにたたまれたジャージを何重にも高く重ねて腕に抱えていた。
やっぱり頭はゆらゆら前後に揺れていて、腕に抱えたジャージも同じリズムで不安定に大きく揺れている。

あれじゃあ、いつ落としたっておかしくない。

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