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君の計算を狂わせたい・続【黒バス/花宮】

第4章 本当の気持ちはどっち?




「あ、そうだ! 提案なんだけど……」
「私がマネージャー業務手伝う、とか言い出しませんよね」


私が提案内容を言う前に花宮が先回りして言葉を重ねた。


「……だめかな?」
「越智さんにも仕事がありますし、そっちをおろそかにされたら困ります」
「でも最近は慣れてきて時間もあまるようになってきたし、そこは大丈夫だと思う!」
「越智さんひとりマネージャーとして増えたからってそんなに変わらないんで却下です」
「でも、私知ってるんだよ。夜一年の子に部活で使ったものの洗濯とかやらせてるよね? 例えば私があれを代わりにやれば夜自主練の時間を作ってあげることはできるんじゃないの?」


花宮を強く見つめるとさらに鋭い視線が返ってきたので負けじと目に力を入れる。
原くんが横からまあまあとなだめるような声を出した。


「一年から不満が最近ちらほら出てるのは事実だし、まゆりちゃんがこんなにやりたいって言ってるんだから手伝ってもらえばいいじゃん。ね、花宮」


原くんがねっと何度も同意を求めると、花宮は長考の末大きなため息をひとつついた。


「わかった、じゃあ今夜のうちに予定をたてなおす」
「花宮、許してくれるの?」
「色々考え直すのは少しめんどくさいですが、まあ問題ないです。その代わり無理はしないでくださいよ」


翌朝起きるとすぐに花宮から新しい日程表をもらった。
言った通り花宮は夜のうちにマネージャー業務の割り振りを新しく考えてくれたらしい。

私は予定表を眺めると改めて気合を入れなおした。





予定表に書いてあった私のマネージャー業務の割り振りはそんなに多くはなかった。
スポーツドリンクを二回作って、部で使用されたタオルやユニフォーム、ジャージを洗濯する、以上。

しかしこの洗濯が非常に大変らしい。
確かに40人分の洗濯物を洗って乾燥機にもかけることを考えるとその作業量はえげつないものなのかもしれない。

私がマネージャー業務を手伝うことを伝えると一年生にたいそう感謝された。
特に洗濯が彼らにとってはネックだったらしく、それはもう手首がちぎれそうになるほどの熱烈な握手をうける。


「まゆりさんは、僕らの救世主です!」


さすがにそれは大げさだと思うけど、ここまでわかりやすく感謝されると悪い気はしない。


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