• テキストサイズ

君の計算を狂わせたい・続【黒バス/花宮】

第4章 本当の気持ちはどっち?




「けっきょく手伝ってもらっちゃってすみませんでした」
「私も楽しかったし気にしなくていいよ」
「じゃあ俺はこれ運んできちゃいますね」


茶髪の彼はジャグをひょいと流し台から持ち上げた。


「練習頑張ってね!」
「……練習っていっても俺はほとんどマネ業ですけどね」


自嘲気味に笑うと彼は重そうなジャグをもって体育館に歩いていった。



 

練習を見ていて思ったけど、マネージャー業務っていうのはけっこう大変なんじゃないかな。
マネージャー業務を担っていた一年生は花宮たちと比べて時間で言えば半分くらいしかできていなかったように感じる。

そもそもなんでマネージャーがいないんだろう。
普通強豪校だったらかわいい女子マネのひとりやふたり、いや仕事量を見るに五人以上はいてもいいと思うんだけどな。

そのことを夕食の時に花宮に聞いてみると、いわくマネージャーを探してはいるらしい。
だけどバスケ部に入りたいと思う人は皆選手志望でマネージャーをやりたいって人がなかなかいないのだと。


「でも女子だったらマネージャーやりたいって子けっこういるんじゃない? かっこいい子多いし……霧崎第一って男子校だっけ?」
「そういうよこしまな考えの奴はもとからお断りですよ。トラブルの元なんで」


花宮は心底嫌そうに眉をしかめた。
口ではトラブルの元なんて言ってるけど、本当は花宮がそういう女子が嫌いなだけじゃ。

そう思っていると原くんが横やりを入れてきた。


「去年はいたんだけどねー、女子マネ。まゆりちゃんがいうように花宮狙いの子がわんさか。でもまじめに仕事しないから花宮がバッサリきっちゃったの」


あの時の花宮はけっさくだったなー、と原くんが言って私は納得した。


「でもせっかくの合宿なのにあんまり練習できないのはちょっとかわいそうかも」
「まあ確かにねえ、でも一年ってそういうもんじゃね?」


原くんはあっけらかんとそんなことを言う。

運動部って上下関係が厳しいっていうし、一年は球拾いやっとけ的な考えがオーソドックスなのかな。
でもなあ……。


/ 55ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp