第7章 彼女の世界
「そーいえば、産まれてくる子どもにはなんて名前をつけようかな」
出産を迎える前紗耶とは毎日のように子どもの話をしていた
「男の子かー。王子とかいてプリンスなんてどう?男の子だから僕の跡継ぎになること間違いなしだからねー!ふさわしい名だよ」
相変わらず紗耶の前ではアホ丸出しである
「でも日本だから…王(おう)って名前はどーかな?とてもかっこいいと思わないかい?」
「やめてください。あなたが付けると将来が不安ですから」
きっぱり断りを入れる紗耶
「そうかな…?君は考えてくれたのかい?」
「大翔(ひろと)です」
「大翔…!いい名前だよ!」
「この子には大きく羽ばたいてほしいですから…私のようにはなって欲しくないし」
「ん?何か言ったかい?」
「いいえ。とにかくこの子はどんな事も大きく羽ばたいて頑張って欲しいですから」
「君は本当にいいお母さんになるよ。大翔には2人で愛を注いでいこうね?」
「そうですね」
こうして子どもの名前が名付けられた