第7章 彼女の世界
「奥様おめでとうございます!元気な男の子ですわ」
「はぁはぁ…」
黒崎の自宅のある部屋には紗耶と産婦人科の看護婦が赤子を見つめる
「旦那様にお伝えを…」
「いいえ…まだしないでください」
「どうしてです?」
「あの人に伝えればすぐさまここに来て、息子と触れ合う時間をくれませんよ…」
「ふふ、たしかに。旦那様は奥様を第一に考えておられますからね」
そんな話をしているわけは以前に――――
「君が赤ちゃんを生んだらすぐに呼んでくれ!君の体が心配なんだ…!」
「そんなに私はか弱くありません」
「でも、こんなに大きな子を産むんだよ?そんなの心配で仕方がないんだよ!」
「産婦人科医だって居られるんですら、あなたはじっと待っててください」
「っ…僕も君のそばに…」
「やめてください。そんなことされては産めません」
「っ!そんな…」
そんな会話をしたことで黒崎の心配性があり、部屋には呼ばないことにした
「はぁー可愛い。やっと会えた…」
「もちろん旦那様と奥様のお子さんですからきれいな顔立ちですわ」
「あなたのことは必ず私が守るからね」
この日から紗耶は母となる