第5章 決意
「あなたに育てられた時からですよ。お祖母様がいればあなたも少しは笑顔でいられたでしょうね?結局あなたも父とは親子ですよ。妻に依存することなんてみんな同じです」
「っ…!」
「好きに手を回したければ、していただいて結構です。でも父のようにはならないでしょう。それに妻に手を出そうものなら僕もそれ相応の手を下しますから」
「ふっ…覚えていろ。貴様の家庭など簡単に…っ!ぐっ…ぁ!」
「そんな死にかけのような状態で何が出来る…もう終わりだ。あなたはただの老いぼれ」
黒崎は振り向きドアを開け
「祖父の容態が深刻になっている。あとは息を引き取るだけだ…」
「医者を呼べ!…会長!」
祖父に仕える者達にあとを任せ自らはその場を立ち去った