第3章 監禁生活の始まり
ブーとスマホのなる音が響く
「…可愛い、愛してるよ」
「黒崎さん…」
「黒崎さんじゃなくて、詠人って呼んで?」
「え、詠人さん…!」
「ん?」
「スマホ…鳴って…ぁ」
「あぁー、分かってるよ。僕たちの大事な時間を奪うなんて最低な人間だよね?君もそう思うだろ?だからあんな電話は無視してしまえばいいんだよ」
「でも…大事なお仕事の、連絡だったら…」
「君は優しいんだね。でもいいんだよ、大事な時間を奪った奴はクビにしてしまえばいいんだから。ほら、セックスの続きをしよう?」
「んぁ…!」
一度音が止まったスマホが再度鳴り響く
「っ…誰だこんなにしつこいやつは!即クビにっ…」
スマホを取り画面を見る黒崎は言いかけた言葉を止めた
「詠人、さん…?」
紗耶に名前を呼ばれハッとし、一瞬で笑顔をつくる
「んふふ、大丈夫だよ。少し待ってて電話に出るから」
「はい…?」
黒崎は電話に出る
「もしもし、何だ。…そんな事は今必要に思うか?それ以上電話を長引かせるようであればどうなるか分かっているな?今は大事な時間なんだ。二度と電話をしてくるな」
そういい黒崎は電話を切った
心配そうに黒崎を見つめる紗耶
「ごめんね、待たせて。」
「いえ…大丈夫ですか?」
「あぁ。気にしないで。関係ない電話だったし、今後一切かかってくることはないよ」
笑顔で言う黒崎を紗耶は少々怖がる
「さぁ、続きをしようか」
「待ってください…!」
「どうしたの?っ!もしかして、どこか痛いかい?」
「ち、違います…!そうじゃなくて…」
「ん?じゃあ、気分が悪い?」
起き上がった紗耶の背中をさする黒崎