第1章 ⚡︎ 爆豪勝己 .1. √
あいつが部屋に行ったのを見て、後を追いかけるように共同スペースをあとにした。
部屋に入ろうと扉に手をかけ、ちらりと隣を見ると、ドアが少し開いていた。
ほんの少しだ。
そう、本当に魔が差した。
その扉に手をかけて、中を覗くとベッドで眠っている百瀬。
少し伸ばされた髪が顔にかかって、胸がなった。
あろうことか俺は部屋に入って、後ろ手で扉を閉めた。
床に散らばる漫画を踏まないように気をつけつつベッドに近寄る。
上に跨って、寝顔を眺める。
頬を軽く撫でてやれば「ん、」と鼻にかかった声を出して寝返りを打った。
バレるかもしれない、少しの興奮と、背徳感。
そして今に至る。