第1章 ⚡︎ 爆豪勝己 .1. √
ーー爆豪side
少し、魔が差したのだ。
「爆豪?!」驚いたように俺の名前を呼ぶ百瀬に、
ああやっちまったクソ。なんて後悔をした。
最初はやけに構ってくるのが鬱陶しかった。
「爆豪、食堂行こう」
「ペアなんない?良ければだけどさ」
爆豪、爆豪、爆豪っつって。
気付けばそいつが来るのを待っていた。
体調不良で休んだ日なんかは落ち着かなかったりしてしまったし、俺らしくねぇのは分かってる。
だけど、好きだ。
男同士とか関係ねぇ。
…話を冒頭に戻す。
共同スペースにいる時、あいつが疲れているのが丸わかりだった。
欠伸ばっかしてるし、ため息ばっかりついてるし。
『眠てぇんなら寝ろ』そう言おうとしたら寝る、っつって部屋戻っていきやがった。
驚いて見つめていれば爆豪おやすみ、なんて俺個人に言って。
返事を返せずにいたら呆れ混じりに苦笑しやがる。