第7章 ほころび。
「??」
振り替えるとどこかで見たような顔ぶれが
5~6人いた。
どこで会ったっけ??っと思っていると
信長様が口を開く。
「この前謁見にきた大名達だ。
貴様と宴をもうけろとうるさいから
こうして一緒にしてやった。」
「へ?私と??」
よく見ると、確かにあのときにみた大名たちな
気がする。。。
どうも前のタイムスリッブで会った人か
今の時代にあった人か区別がつかないので
あまり反応しないでおこうと思う。
「織田家ゆかりの姫と言われどんな方かと思っていたのですが
この前拝見して、本当に麗しく大人びていて素敵だったもので。
ぜひ一度宴をもうけていただきたいと
信長様にお願いしておったんです。
ひな様、さぁさぁどうぞ一杯」
「はっ、はぁ……」
勧められた酒は飲むというのが私の信条なので
ぎこちないながらもくぃっと飲む。
「ひな様はどこのご出身で?」
「えっと。。。」
なんて答えようか迷っていると
「なんだ、織田家の姫の出生を疑っているのか?」
信長様が、笑いながらその大名にいう。
「いっ、いえ!そういうわけでは!!!」
「そうかしこまるな。京の出身だ。」
「はぁ、どうりで気品高いわけですな。」
いや、そんなこと絶対ないと思う。、
そう思いながら、はぁ。。。としか、返事をせず
また他愛ない話をする。
でも京都出身なのは嘘ではないから
黙っておく。
もともと酒好きな私は
花見のシチュエーションもあり、
1時間後にはその大名たちと
だいぶ打ち解けていた。
「夏には新緑がとてもきれいなんですよ。」
「そうなんですか!いいですね!名物って何があるんですか?」
「りんごですかね。」
「いいですね!りんご!!」
「しかし去年は不作で……」
「そうなんですか……」
「ほぅ、それはなぜだ?」
横で静かに聞いていた信長様がいう。
「はっ、実は……」
あれよあれよという間に
解決策を話し合う二人。
「ありがとうございます!!!
まさか信長様からそういったことまで
していただけるとは!」
「領地は豊かにしてもらわねばな。
しっかりするように。」
「やはり御館様は花見ですら
ひとつの仕事場としていらっしゃる。」
秀吉さんが信長様を尊敬の眼差しで見つめる。