第7章 ほころび。
「待たせたな。」
信長様が桜のちょうど下で皆を見渡せる場所に座る。
私も流れでその隣に座ることになった。
「さっそく花見弁当にお酒といきますか。」
政宗が持ってきた花見弁当をあける。
「あっ!」
思わず声がでてしまうほど、
色とりどりに盛り付けられた花見弁当。
私が詰めたときはなんか茶色と黄色がめだってたのに、
緑や赤色の野菜もちりばめられていて。
人参も桜形に切られて
花見弁当にも満開の桜が咲いているようだった。
「すごい!!ひなさんも政宗も!!
美味しそう!!」
はるが目を輝かせていう。
「料理は目でも楽しむというが、この花見弁当は
まさにそれだな。」
光秀さんが仕入れてきた酒を開けながらいう。
「お前から料理を楽しむという言葉を聞くのは意外だな。」
「そうか?これでも楽しむくらいはできる。」
そういいながらどこから出してきたのか
どんふり茶碗を手に持っている。
「だから!おめぇその茶碗はどっから持ってきたんだよ!」
政宗がすかさずつっこむ。
「政宗盛り付け仕上げしてくれたんだ。」
そんな政宗に向かって言う。
「ちょっとやっただけだよ。お前が盛り付け何回もしなおしてるのみて
なんとなく苦手なのかと。
差しでかましいかと思ったが。」
「ううん!!本当にすごい!!
自分が作ったごはんがこんなに美味しそうに見えるなんて
嬉しい!!」
素直に政宗に向かって笑っていう。
「…っ。」
政宗が少し驚いた顔を見せたような気がしたけど
「ではいただこう。」
信長様のこの一声でかきけされ、
みんな一斉に食べ飲みだした。