第1章 1.プロローグ
バキッバキッ!!キーーーーーっ
だんっ!!
扉が外側に大きく倒れた。
「っしゃぁ!走るよ!!」
「はっはい!!」
扉の向こうは真っ暗な森だった。
とにかく走った。
はぁ。。はぁ。。。。
「待って。。くだ、ハァさい。」
女の子を掴んでいた右手がグッと重くなる。
仕方ない。
低い木で覆われた場所を見つけ腰を下ろす。
「「ハァ。、、ハァ。。。」」
二人の荒い息づかいだけが聞こえる。
ちょうど月が雲から出てきたのか
月明かりに照らされて女の子の顔がわかった。
白い肌に大きな目、
化粧っけはないその顔は
どこか幼さが残る。
私の3つくらい年下だろうか。
思わずまじまじと見ていると
女の子が口を開いた。
「ハァ。。、あの。。。あなたその格好。。、」
!!!
あっ、忘れてた。
私会社の休憩中にあの石碑前にいたら
前のタイムスリップみたく変なことになったんだ。
膝たけのスカートに白いカットソー、
もしここが現代じゃなかったら
この格好は確かに可笑しい。
現に目の前の女の子は着物だ。
って、ここはどこなんだろう。。。
前回タイムスリップしたときは
本能寺だったけど今回はそんなことなさそう。。。
でもそれよりもまずタイムスリップしたのかどうか
確かめないと。。。
「あっ、あの。。。今って何年でここはどこ。。?」
まぁ、普通こんな質問されたら
えっ?って思って何いってるの?って聞き返されそうだけど
その女の子は大きな目を少し見開いて
落ち着いて答えた。