• テキストサイズ

【イケメン戦国】蒼い瞳の向こう側

第7章 ほころび。




『子虎私にはおとなしく撫でられてくれないんです。』

しゅんとして答えるはる

『ふふふ、きっと遊んでくれてると思ってるんじゃ
 ないですか。』

子虎は甘えられる人と、
遊んでくれる人をわけて接する癖があった。
私は前者だったので
本当によくなついてきて。
政宗に感心されたことを思い出した。


『そうだぞ、はる。気にすんな。
 だが子虎がここまでなつくのは本当に珍しいな。
 よかったな、子虎、甘えられる人ができて』

政宗がしゃがんで
私の胸にへばりついていた子虎を
嬉しそうになでる。


いつもならそのまま私もついでに撫でてくれたんだけどな
そんなことを思いつつ、
書簡を渡し、また安土城に戻った。



ーーーーーーーー
ーーーーーー

ーーー




「あれからちょくちょく子虎にあいに来てくれるんですけど
 もう匂いが足音でわかるのか
 御殿に入るや否やすぐ飛び付いていくんですよ。」


はるさんが嬉しそうに話す。


はるさんよりなついてくれたことが
なんだか嬉しい。
でもそれと同時に黒いもやもやが
わたしの心を覆った。

何を張り合ってるんだと。
この馬鹿らしい考えを心の奥底に押し込んだ。

「ほぉ、子虎がなつくとわな。貴様も料理や針子以外に
 取り柄があったのだな。」 

信長様が御機嫌に笑う。

「なんですか!料理と針子だけでも
 充分じゃないですか。」

あまり本気で怒ってない言い返しをする。
だってその言い方はつまり料理と針子は
認めてもらえてるって事で。
ちょっとうれしかった。

ーーーー


その後も大半は
鷹から逃げるのに必死で
なんとか信長様が鷹狩りに飽きてくれて
というかはるさんの御腹がなって

「花見弁当が、そんなに食べたいのか」

と、なり、やっと花見へ向かうことになった。
/ 214ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp